2014年7月24日木曜日

黄金の爪



今日ですべておわった。

あなたはわたしのことなんか、ちっともみていなかった。
わたしがあなたをみていなかったように。

だって、もしあなたの言うあなたのやさしさがほんとうなら。
離れても想いつづけている、と言った言葉がほんとうなら。

わたしのこの苦しみを伝えたとき、
どうしてなんにも言ってくれなかったの。
どうしてやさしく抱きしめてくれなかったの。

十年前と同じような、この気持ち。
わたしはちっとも、
大人になんか、なっていないね。
きがくるいそうだよ。


あの歌は、あの子のためではなく、
わたしのために、生まれたんだと、はじめて知った。

今日ですべてがおわりなんかじゃないことも、
ほんとうは知っている。
これはただの、おわりのはじまりだということも。

けれど、こころは感じている。
あのムビラの音色と、遊民ちゃんの宇宙は、
これからの日常を生き抜くために、
かみさまが与えてくれた宝物だということを。
じぶんを解き放つための、ほんのすこしの希望。

だから、泣くのは、
ひとりのときだけにしよう。

笑うのは、ほんとうにうれしいときと、
ほんとうにたのしいときだけにしよう。

そして落ち着いたら、
やさしい音色をききにいこう。
もう既に、あなたとわたしの道は分かたれている。


だけど、すこしのあいだでも、
あなたと生きることができて、
わたしはきっと、しあわせでした。

ありがとう。



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