今日ですべておわった。
あなたはわたしのことなんか、ちっともみていなかった。
わたしがあなたをみていなかったように。
だって、もしあなたの言うあなたのやさしさがほんとうなら。
離れても想いつづけている、と言った言葉がほんとうなら。
わたしのこの苦しみを伝えたとき、
どうしてなんにも言ってくれなかったの。
どうしてやさしく抱きしめてくれなかったの。
十年前と同じような、この気持ち。
わたしはちっとも、
大人になんか、なっていないね。
きがくるいそうだよ。
あの歌は、あの子のためではなく、
わたしのために、生まれたんだと、はじめて知った。
今日ですべてがおわりなんかじゃないことも、
ほんとうは知っている。
これはただの、おわりのはじまりだということも。
けれど、こころは感じている。
あのムビラの音色と、遊民ちゃんの宇宙は、
これからの日常を生き抜くために、
かみさまが与えてくれた宝物だということを。
じぶんを解き放つための、ほんのすこしの希望。
だから、泣くのは、
ひとりのときだけにしよう。
笑うのは、ほんとうにうれしいときと、
ほんとうにたのしいときだけにしよう。
そして落ち着いたら、
やさしい音色をききにいこう。
もう既に、あなたとわたしの道は分かたれている。
だけど、すこしのあいだでも、
あなたと生きることができて、
わたしはきっと、しあわせでした。
ありがとう。
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