一度だけ
心も体も真白に
洗濯して
干されてしまいたい
願わくば
夜になる前に取り込んで
ひとつずつ
畳んでしまいたい
生温い
風が通った境界例
捨てないで
大事にしていたい
後ろから
急発進した鹿の群れ
悉く
轢かれてしまいたい
粗相して
交わる風景殺したら
今すぐに
無にしてしまいたい
好いた彼の
黒いコートと体温に
躊躇わず
縋ってしまいたい
去る恋の
淡い記憶と御徒町
気紛れに
忘れてしまいたい
裏瞼
赤い血眼
なみだ色
惚けて目を綴じ
冬が来る
ああ冬が来る
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